ちょっと待って!捨てる前に、その野菜再利用しませんか?

農業のヒント

野菜を調理したその後に出てくる根っこ、ヘタなど…、普段は捨ててしまうこの部分を使って、もう一度野菜が収穫できることをご存知ですか?
普段使わない野菜の根などを水につけるなどして再び栽培し、また食べられるようになった野菜は「再生野菜」や「リボーンベジタブル(リボベジ)」と呼ばれています。
今回は、野菜を再利用するメリットや再利用できる野菜の種類、方法などをご紹介します。

再生野菜のメリットと注意点

再生野菜は、もともと料理に使用しないような根などの部分を利用するため、改めて苗や種を買う必要がありません。水耕栽培で育てることもでき、土も不要です。お皿やコップなど適した大きさの入れ物を利用すれば、プランターも用意せずに栽培が始められます。このように、苗、プランター、土といった家庭菜園を始める際に必要なものを改めて用意しなくても、気軽に始めることができるのです。

 また、キッチンの一角などで育てられ、野菜が育ったら、すぐに料理に活用できます。短期間で成長を確認できるため、世話をするのも楽しいですし、お子さんと一緒に成長を観察すれば身近な食育にも繋がりそうです。

 さらに、経済的なメリットもあります。野菜ひとつ分の費用で、それ以上の収穫が得られますし、家庭で栽培していれば野菜の値段が急に高くなってしまっても家計への影響を抑えることができます。

 一方で、再生野菜の栽培で気をつけたいポイントが、雑菌の繁殖です。水耕栽培の場合、水を毎日変えるなどして菌の繁殖を防ぎましょう。万が一、カビが生えてしまったり、腐ってしまったりした時は、早めに処分するようにしてください。

再生野菜の栽培方法

 再生野菜の栽培方法は2種類、土で育てる方法(土耕栽培)と水で育てる方法(水耕栽培)があります。土で育てる場合は、土を介して栄養が行き渡るため立派な野菜に育ちやすい傾向があります。しかしながら、土耕栽培には栽培用の土やプランターが必要なので、近年ではより気軽にはじめられる水耕栽培が人気傾向にあるようです。

水で育てられる再生野菜の種類

 再生野菜を水で育てる場合に必要なものは、野菜の切れ端、容器、水の3つ。方法は、野菜の切れ端を水に浸して、光の当たる場所に置いておくだけです。以降は、毎日水を変えることを忘れずに。成長の早いものなら1週間ほどで再収穫が可能です。

ここからは、水耕栽培に適している再生野菜の種類を紹介していきます。

①豆苗

最も気軽に始められると言っても過言ではないのが、豆苗です。買ってきた豆苗を、根から3〜4㎝上を残してカットします。程よい大きさの容器にカットした豆苗を入れ、根の半分くらいまで水を浸します。容器は豆苗の根が広げられるように、豆苗よりも少し大きいお皿を選ぶといいですよ。あとは、日の当たる場所に豆苗を設置して、毎日根を流水ですすぐとともに、根を浸す水も入れ替えます。豆苗は日の当たる方へと成長する傾向があるため、毎日90度ずつ回転させるなど、全体に満遍なく光が当たるよう工夫すると真っ直ぐ成長します。1週間〜10日程度で葉が再生して再収穫できるようになります。上手くいけば、切って育ててのサイクルを2回ほど繰り返すことができます。豆苗は、ごま油と鶏ガラスープのもとで炒めたり、中華風のスープや味噌汁の具にしたりすると美味しくいただけます。

②ネギ

ネギは、白くなっているところを目安に根から5㎝ほど上をカット。コップや瓶に水を入れて、切った根の部分を浸しておきます。毎日水を入れ替えて、3〜4週間ほどで収穫できるようになります。なお、根から上の部分を長めに切っておけば収穫までの期間を短くすることも可能です。ネギは、2・3回ほど繰り返し栽培できます。ネギを水耕栽培で育てていれば、冷や奴や素麺の薬味、炒飯、味噌汁など、少量使いたい時にもすぐに収穫でき、便利ですよ。

③ニンジン

ニンジンは葉が生えているヘタ(頭)の部分を使います。浅めのお皿にニンジンを置いて、半分ほどを水で浸します。日当たりのいい場所で栽培し、毎日水を入れ替えます。ぬめりが出るようなら流水で洗って清潔に。2週間ほどすると緑色の葉が伸びて、収穫できるようになります。ニンジンの再生した葉は、かき揚げにすると美味しく食べられます。他にも、味噌汁やスープの具にしたり、トマトベースのパスタに添えたりしてもいいですよ。

④パクチー

 パクチーは、根が付いているものを選びましょう。再生野菜として育てる時には、根元から3〜5㎝上をカットして水に浸します。根元まで水に浸かるよう、深さのある瓶やコップを使うといいですよ。毎日流水で優しく洗い、水はこまめに入れ替えるようにします。2〜3週間で再収穫が可能に。衛生面にさえ気を配れば、複数回収穫することができます。パクチーは、鳥ササミやキュウリと一緒にアジア風のサラダにしても美味しいです。また、麺料理のトッピングにすれば、いつもと違った風味を楽しめます。

⑤小松菜

小松菜は根から3㎝以上を残してカット。深さのある容器にカットした小松菜入れて、根が浸るくらいまで水を注ぎます。切り口が水に浸らないよう、水の入れすぎには注意します。日当たりのいい場所に置き、水は毎日入れ替えて育てます。10日ほどすると葉が収穫できるように。再生した葉は柔らかく、苦味も少ないので、野菜が苦手なお子さんでも食べやすいですよ。小松菜は茹でてお浸しにしても、油揚げと炒めても美味しく食べられます。

⑥ミツバ

ミツバは根から3㎝くらい上をカットします。購入した際、根にスポンジが付いていれば、そのままそのスポンジを使用してもOKです。その場合はスポンジが水で満たされる位に、付いていない場合には根元のギリギリまで浸かるように水を注ぎます。日が当たる場所で栽培し、水の入れ替えをこまめに行います。1週間ほどで葉が出てきたら収穫できます。ミツバは独特な香りがあるので、栽培中から芳香を楽しめます。収穫した葉は、親子丼やすまし汁などの彩りとしても活用できます。

再生野菜の美味しさと栄養

 野菜を何度も繰り返し育てていると、味や栄養価が落ちるのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に水道水のみで育てた場合は風味が落ちることがあります。気になる方には、液肥の利用をおすすめします。肥料を与えて育てていけば、味も栄養価も元の野菜に近いまま続けて収穫することができますよ。

まとめ

これまで触れてきた通り、普段は捨ててしまう野菜の根やヘタは再利用して、もう一度収穫することができます。そのような野菜は、再生野菜と呼ばれています。再生野菜は、お金がかからず気軽に始められるため、家庭菜園の初心者にもぴったりです。豆苗やネギ、ニンジン、パクチーなど、様々な種類の再生野菜が水で栽培可能。毎日水を入れ替えて、適度に液肥を与えることで、美味しく栄養価も高い野菜が収穫できます。

皆さんも、料理をした後、野菜の根やヘタを捨ててしまう前に、水耕栽培で気軽に始められる「再生野菜」に挑戦してみてはいかがでしょうか。

Minami Ota

フリーライターの太田です。 私も大人になってから「農業の魅力」に気がついた一人です。 農がキーワードの身になる話題を随時お届けしていきます!

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