唐沢農機サービス代表に訊く「ノウキナビにかける思い」とは?

Humans of 農業

市場には、眠ったままの農機具が多くあると言います。
いつ来るかわからないその時を、使えるはずの農機たちが待ち続ける…果たして、それは良い事なのでしょうか。

農機具流通の総合プラットフォーム「ノウキナビ」は、そんな農業に携わる者としての疑問から誕生したそうです。そんな「ノウキナビ」を運営する株式会社唐沢農機サービスの代表取締役社長・唐澤健之氏にインタビューをさせていただきました!

地方の農機具屋さんが一代で立ち上げたWEB上のプラットフォームにかける「思い」とは…?

中古農機を売ってほしい人がいるのに、手元に商品がないジレンマ

ノウキナビは「中古農機の新しい流通形式を作ろう」と思って立ち上げたサイトです。農機具販売店は全国に2000店舗ほどありますが、農業には地域色があって、それぞれ使う農機が違います。農家さんは「何か新しい機械が欲しいな」という物欲で買うのでなく、「どうしてもこの農機が必要、壊れてしまったから買う」というのが一般的です。

逆に言えば、使える状態にもかかわらず買い替える事はほぼありません。だから中古がものすごく少ないんです。ところが、買い手側の中古がいいという需要が高い。僕自身、「欲しい」というお客様が目の前にいるのに、そもそも中古がないから用意ができないという現状に農機具屋として課題を感じていました。

それなら、全国の農機具販売店が自分が持ってる中古農機の写真を載せ、お客様がより多くの選択肢を持てるプラットフォームを作ろうと思ったんです。全国単位で商品を見てもらえるようになればお店側もマーケットを広げられます。

以前からオークションサイトなど、ネット上で中古農機の取引はされていましたが、個人同士の取引は、適正価格でなかったり、写真は綺麗だけどいざ届いたら動かないといったトラブルも起こっていたんです。

ノウキナビは農機具屋が運営するサイトとして、品質をしっかり担保して、アフターメンテナンスもつけようと始めたのが5年前です。

安心して取引するために、品質と適正価格が担保される仕組みを作る

ノウキナビの登録販売店は、全国に262社(2020年4月時点)あります。例えば静岡で中古農機を売りたいという農家さんがいた場合、ノウキナビコールセンターで農機の知識を持つスタッフが査定し、金額に承諾が得られればすぐに入金して購入します。そして近くにあるノウキナビ登録販売店に運送料を払い、お客様のところに取りに行ってもらうんです。

この時点ではノウキナビが在庫を持っていて、販売店に在庫リスクはなく、サイトで販売する間、農機を置く場所だけ借りている形になります。しかし中古農機は需要が高いため、登録販売店から「買い手が現れたので自分の店舗で売りたい」と言われる事も多々あります。その場合は購入してもらいお店の商品にできるんです。

知識を持つスタッフが査定しているからこそ、適正価格で質が担保された中古農機、つまり売れるものしか取引しません。実際にサービスがスタートしてから、すべての商品が販売開始後55日以内に売れています

ノウキナビでは新品の販売も行っていて、お客様から問い合わせが来たら、その商品を一番安く買える、お客様から一番近い販売店に「○○がほしいお客様がいます」と伝えて、売ってもらうんです。メンテナンスするにも近い店舗の方がいいですからね。

企業理念は「誇りと証」。ノウキナビが未来に抱くビジョン

近年、農業人口が減って農機の需要が下がっているとイメージする方は多いのですが、実際は新品農機だけでも国内メーカーが年間3000億円、海外メーカーが年間800億円、合計すると年間3800億円の需要が国内にはあり、ここ10年ずっと横ばいなんです。そのうち、インターネットで売り買いされているのは年間20億円と言われています。ノウキナビはこの数字を760億(市場規模3800億の20%)にしていきたいと考えています。

これまで農機具屋は、自分の店舗から車で1時間圏内くらいのお客様しか幸せにできませんでした。今は自動車もインターネットで買う時代になっています。この先あらゆるものがインターネットで売り買いされる時代が来るという時に、新品機械、中古機械、修理をインフォメーションテクノロジーを使って全国の農家さん届けられる「日本一の農機具屋」を目指す、そのプラットフォームを作って農業の世界を担うというのが僕たちが掲げているビジョンです。

僕は農家や農機具屋を救いたいというような「農業業界=弱者」という考え方はしていません。この業界にたった一人の成功者が出ればいいと思っているんです。片田舎の農機具屋から一代で上場した企業が出れば、「あいつにもできた」と、農業業界で何かに挑戦しようと考える若者が増えたり、農業に携わる人の目線が変わると考えています。

編集後記

ノウキナビは、全国の農機売買を支援するプラットフォームであり、全国の農機販売業者の取引支援、新品および高品質な中古品を探す農機ユーザーとのマッチングを行っています。

2014年9月運用を開始。2020年5月現在、月間のサイト訪問者は述べ5万人を超え、全国の農機販売店が参画しています。農家や農機ユーザーは2000件以上の登録があるほか、累計販売実績額は8億円弱に上っており、今がまさに第二成長期のWEBプラットフォームです。

農機具をWEB上で流通させ、最適な農機具が最適な人の元に届く。
ノウキナビが描く世界観は、農業の近未来系を地に足のついた視座から創り出そうとする「農機具屋さん」の熱い思いによって結実するもののようです。

最近では農機具の買取査定に関するメディアも立ち上がっており、農機具に困ったら「ノウキナビ」という図式が徐々に作り上げられてきた感があります。農作業に必須の農機具についてお困りの際は、今回の「ノウキナビ」にかける唐澤氏の思いにもう一度触れてみてくださいね。

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