日本全国に農機具屋さんがいくつあるのか数えてみた

農業のヒント

農家や農業法人が農業を営むのに必要不可欠なのが「農機具」です。農機具は簡単なものならホームセンターやインターネット等でも購入できますが、中古農機の買取・購入や農機具修理などの要望に応えられる店舗は「農機具販売店」という専門販売をする店舗業態です。

農機具屋には主に、特定メーカーの製品について取り扱う店舗(ディーラー)と、基本的にどこのメーカーの製品でも取り扱える店舗(サブディーラー)があります。自動車業界と同じような構造を思い浮かべると分かりやすいですね。

そんな農機具店、いわゆる「農機具屋さん」は全国に何店舗あるのか?というのが今回のテーマです。

都道府県別の農機具店の数

先に答えを言ってしまうと、正確な数字はわかりません。
膨大なお金と時間をかけて日本全国を調査すれば、正確な数字も出るのかもしれませんが、知りたいのは「ざっくりどのくらいの店舗数があるのか?」ということなので、正確性は置いておきます。

農機具店が多く加盟する協会として、全国農業機械商業協同組合連合会(全農機商連)があります。このサイトで都道府県別の会員名簿を閲覧することで、大まかな数が出るのではないかと仮定しました。

もちろん、農機具店の中には全農機商連に加盟していない店舗もあります。また、都道府県によっては店舗の名簿を非公開としている県などもあります。
それでもざっくりとした規模感を知るには充分な資料と言えそうです。
(数字は平成27年度の加盟店数)

都道府県 加盟店数
北海道 28
青森県 0
岩手県 29
宮城県 39
秋田県 34
山形県 38
福島県 72
茨城県 125
栃木県 150
群馬県 0
埼玉県 73
千葉県 155
東京都 0
神奈川県 32
新潟県 178
富山県 72
石川県 34
福井県 57
山梨県 16
長野県 120
岐阜県 50
静岡県 39
愛知県 69
三重県 0
滋賀県 39
京都府 60
大阪府 10
兵庫県 63
奈良県 0
和歌山県 31
鳥取県 0
島根県 38
岡山県 62
広島県 32
山口県 89
徳島県 21
香川県 0
愛媛県 21
高知県 61
福岡県 31
佐賀県 22
長崎県 9
熊本県 38
大分県 5
宮崎県 10
鹿児島県 15
沖縄県 0
全国 2,067

地域別の農機具店の数

都道府県別のままだと細かすぎてしまうので、これを地域別に集計してみることにします。各エリアを次のように定義しました。

  • 北海道〜福島県  → 北海道・東北
  • 茨城県〜神奈川県 → 関東
  • 新潟県〜福井県  → 北陸
  • 山梨県〜三重県  → 中部・東海
  • 滋賀県〜和歌山県 → 関西
  • 鳥取県〜高知県  → 中国・四国
  • 福岡県〜沖縄県  → 九州・沖縄

これを集計した結果が下表です。

エリア 加盟店数
北海道・東北 240
関東 535
北陸 341
中部・東海 294
関西 203
中国・四国 324
九州・沖縄 130
全国 2,067

人口あたり農機具店の割合

ところで、この集計表を見ただけでは、「関東がいちばん多い」「九州が一番少ない」という程度の情報しか分かりません。

農機具店が多いエリアは農業が盛ん、あるいは農業に積極的…
思わずそんな想像もよぎるのですが、よく考えてみると、各エリアはそれぞれ居住している人の数が異なります。農機具店の数だけで「農業への積極度や充実度合い」を語ることはできません。

そこで、平成27年国勢調査の結果を用い、人口あたりの農機具店の割合をパーセンテージで表してみることにしました。

数字は人口1,000人あたりの農機具店の存在割合です。
人口の割に農機具店が多いか少ないかがわかるので、農機具屋さんが相対的に充実しているエリアなのか、そうでないのかがわかります。

エリア 加盟店数 地域内人口
(1,000人)
1,000人
あたりの
加盟店割合
北海道・東北 240 14,365 1.67%
関東 535 42,995 1.24%
北陸 341 5,311 6.42%
中部・東海 294 17,965 1.64%
関西 203 20,725 0.98%
中国・四国 324 11,283 2.87%
九州・沖縄 130 14,450 0.90%
全国 2,067 127,094 1.63%

上記を見ると一目瞭然、店舗割合が多いのは「北陸」エリア(6.42%)となりました!次いで中国・四国(2.87%)です。
一方、関西エリア、九州・沖縄エリアは1%未満と、全国の中でも農機具店が少ないエリアであることが推察されます。

なお、全国の農機具店は約2,000店舗と仮定しているので、人口1,000人あたりの店舗割合は1.63%。やや乱暴な計算をすると、農機具店1店が地域内の約6万人を支えているという計算になります。日本の農業従事者率は3.7%と言われていますので、1店舗あたりのお客さんとなりうる農家さんは、およそ2,000人という数字がはじき出されます。

まとめ

今回は、農業を支える「農機具屋さん」にスポットを当て、そのおおよその店舗数と人口あたりの数を見てみました。

北陸地方は米どころと言われるだけあって、国内の中でも特に農機具店の充実度合いが高いエリアであることがわかります。細かいデータは割愛しましたが、新潟県、福井県、富山県は人口あたりの農機具店数が特に多い県であることも見て取れました。

また、農機具屋さんは1店舗で約2,000人のお客さん(候補)を抱えている…という全国平均のざっくりした目安も算出されました。あくまでも全国を平均した推算値ですので、店舗によって事情は異なると思いますが、農機具屋さんが少しリアルに、身近に感じられる数字と言えるのではないでしょうか。

農業を支える「農機具屋さん」の存在に感謝しながら、今後の日本の農業に思いを馳せてみたいと思います。

s.yamamoto

山本です。マーケティングを生業としながら、米とカボチャを生産する両親を支えつつ、日本の農の未来に想いを寄せています。

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