サタケの籾摺り機を徹底研究!~オフシーズンの点検とトラブル対応マニュアル。

農業のヒント

お米農家の方が、秋シーズンにトラブルが多いのが、1にコンバイン、2に籾摺り機です。
今回は籾摺り機の王道?のサタケの籾摺り機「ライスマスター」シリーズについて、籾摺り機について知り尽くした記者が、徹底的に解説したいと思います。
まずは籾摺り機の裏側に注目してください。
(写真の籾摺り機は、サタケのNPS350です)

次に外カバーを外します。

真ん中の昇降機の一番下にご注目ください。

この昇降機の一番下のスペースに、古い籾が溜まり、また籾摺り機の大敵であるネズミが巣をつくりやすいのです。籾摺り作業が終了したら、真っ先に掃除すべきポイントです。
写真のように掃除用のシャッターを上にスライドさせて、手を突っ込んで掃除します。
出来れば業務用の掃除機で吸い取りたいところです。場合によっては、子ネズミが隠れていたりしますので…。

ネズミが巣をつくっていると、こんな感じのものが出てきます。
万が一、蛇が住んでいる場合は線香の煙をたいて追い出します。
※ネズミを求めて、蛇が籾摺り機に住み着くことがたまにあります。

次にベルトを見ていきます。
黒いVベルトは、切れていたり摩耗が激しければもちろん交換しますが、よく注意してほしいのが左上のオレンジ色のベルトです。

通称「アメベルト」なんて言ったりしますが、正式には「バンコードマルベルト」です。
意外と弱い素材なので、格納中に自然と切れて、どうついていたのかも分からなくなってしまうことも!このバルトがなくても籾摺り機はいちおう作動しますが、ロール部への送り量を調整できなくなるので、メチャクチャ粗(アラ)が出るようになってしまいます。
※粗(アラ)が出るとは、籾が脱っぷせずにそのままの状態で排出されることです。

2,000円くらいの安めのベルトですが、たいへん重要パーツなのです。
伊藤産機ホームページでも、購入できます。

こんどは正面からです。写真はスロワーのカバーを外した所です。
回転部に3個ついているゴムも摩耗が激しい場合は交換します。
ここに出てくるところの穴がよく詰まります。

写真が見事に詰まっている状態です。
マイナスドライバーなどで餅のように固まった籾を除去します。

ついでながら、この部分は本来であれば未熟米が出てくるところですが…。

現在は写真のような「未熟米リターン装置」がオプションパーツとして売られています。
未熟米を排出せずに、循環させてくれる装置です。また、レバーを切り替えれば、ワンタッチで機外排出も可能です。忙しい籾摺り作業を助けてくれる、価値あるパーツだと思います。
※4~5インチ用のオプションパーツで、3インチ用はありません。
伊藤産機ホームページでも、購入できます。

これは良く知られていると思いますが、スロワの下に掃除用の引き出しがあります。

こちらの「残米レバー」を【開】の状態にして、引き出しに籾摺り機内の残ったお米やゴミを落とす仕組みです。最後にレバーを「閉」の状態にしておくことが大切です。
これを忘れて【開】の状態のまま作業すると、すべてのお米が引き出しにたまって、引き出しが開かなくなってしまいます。

最後にロール部について解説します。
写真のように張り込みカバーを外して、掃除機とコンプレッサーを使って掃除するのが理想です。張り込みカバーを外すのは大変そうですが、基本的にプラスネジ4本で止まっているだけですので、見た目よりは簡単に外せると思います。

ロールは左右は実は向かって左側の方が少し早く回転しています。その回転スピードの差で籾をだっぷしている訳です。
したがって、向かって右のロールの方が早く減りますので、シーズン終了ごとに左右のロールを入れ替えるのも良いと思います。
ただし、選別の良さにこだわるなら両方の交換をお勧めします。

バンドーからは【メンテナンスフリーロール】というものも販売されています。中心が赤い「主軸用のロール」が耐久性をUPさせたロールで、こちらを使えば左右のロールが同じスピードで摩耗するので、ロールの左右入れ替えは不要になります。
伊藤産機ホームページでも、購入できます。

写真はメインの配線2本をネズミに切られてしまった籾摺り機です。
こうなってしまうともはや電源すら入らない状態で、大修理になります。
籾摺り機の大敵は1に古い籾、2にネズミです。
古い籾は害虫を発生させ、ネズミを呼び寄せ、籾摺り機の詰まりを発生させます。
作業が終わった後に、機内に古い籾が残らないようにきれいに掃除することが一番大事です。古い籾が残っていなければ、ネズミも寄って来ません。衛生的にも最高です。
皆様の快適な籾摺りライフを、心より応援しています。

伊藤 慎一郎

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フリーライター兼、伊藤産業機械(株)専務の伊藤です。 農機具販売店に勤務のかたわら、記事を書かせていただくことになりました。

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