青みかんとネロリにかける想い〜山辺果樹園インタビューpart3

Humans of 農業

長崎県にある山辺果樹園さんのインタビュー最終回では、果樹園代表の山辺さんがこれからどんなことに挑んでいくのか、お話を伺いました。青果を栽培し販売するだけに止まらず、その青果に付加価値をつけ、お客様をさらに楽しませることのできるような、そんな仕事をしていきたいと語る山辺さん。最終回、是非お楽しみください!

新しい農業の形について

ーーjuneroのホームページに新しい農業の形に挑戦すると書いてありましたが、山辺さんが考える新しい農業の形とはどういうものがありますか?

今やっていることがそうなのかなと思います。青果をそのまま出して、終わり、ではなくて、青果からさらにどれだけ付加価値をつけて年中販売できる状態にするかってところですよね。

ーーそういう想いというのはどうして湧くのですか?なぜそこまで挑戦したいのか、気になりました。

実家が専業の農家なので、子供の時から見ているんですけど、佐世保ってみかんが有名で、結構価格も高いんですよね。
かなり儲かってるように見えるんですよ。
でもそれを外から見ていると、農協さんに全量を出荷するんですよね。
全部農協任せになっちゃっていて、まあ仲卸とか市場とかそういうのが絡んで、最終的にお客様のところに行くんでしょうけど、お客様のところと農家の距離がだいぶかけ離れているんですよ。

めちゃくちゃ美味しく作っても、結局販売ができないと、そのうちダメになるだろうなってなんとなく感じてしまったんですよ。
やっぱり直販する力っていうのは農家さんにないので。
それをつけないと、多分恐ろしいことになるなって思い、危機感もありました。基本的に農業をやっている人は高齢者が多いので、お客様とのやりとりとかも中々厳しいと思うんですよ。
その点若い方たちにはその辺がチャンスなのかなっていう思いもありました。

原料から作ってさらに化粧品ブランドまで立ち上げるっていう、(生産から販売までの)一連のことはずっとやりたいと思っていましたので、挑戦してみました。うちの場合は香りを抽出したりといったことです。他ではあまりやっていないので。

今後山辺さんが挑戦したいこと

ーー今後他のことに挑戦したいという思いはありますか?

最近は、「田舎だからできること」について考えることが多くて。都会にはない景色というか、何気ない景色なのかもしれないですけど、価値があるものなんだろうなと思っていて、そういうのを味わえる環境とかをどうにか作っていけたらなって思っています。

ーーそれは体験農家みたいなことですか?

農業だけではなくて、例えば長崎の場合、うちの周辺でいうと海があります。
その近くの倉庫を借りたんですけど、そこから見る景色がめちゃくちゃいいんですよね。
なのでその倉庫で仕事をしてもらうような環境というか、海を見ながら仕事してもらうとか、そういう環境を作るのって面白いなと思っているんですよ。

ーーコワーキングスペースみたいなものを提供したいということですか?

そうですね。ただの倉庫じゃなくて、ちょっといい感じにして、みんなが来て、海を見たり山を見たりしながら遊べたりとか、パソコン仕事だけでもできるような環境を作れたらと思っています。

それこそちょっと休憩で畑に行くとかでもいいし、休憩でカヌーで海に出ようかみたいな感じもいいなって考えています。
何にでも価値っていうのはあると思っていて、農業だけにこだわらず、自分がいる環境をフルに活用して、価値あるものを届けたいと思っています。
それが場所の価値であったり、体験する時間の価値だったりするのかなと思います。

ーー今は化粧品の方に力を注いでいらっしゃるということですか。

そうですね。販売の方も力を入れて、それが軌道に乗ってくれば、コワーキングスペースの提供みたいなこともできたら面白いなと思っていますけどね。
あまりにも農業にこだわりすぎるとたぶんダメだと思うので、柔軟に面白いことをできたらと思っています。

ーー新たなことに挑戦していくのは大変なことであると思うんですけど、どうやってモチベーションを維持しているのですか?また、お仕事においてどんなやりがいを感じて挑戦しているのかもお聞きしたいです。

お客様が喜んでくれるからじゃないですかね。

お客様が味わったことのないような体験を提供できるっていうのがうちの強みかなというのと、それを体験してもらうことで喜んでもらえるし、発信もしてくれるし、その辺が、今までになかったことであり、今のモチベーションにもつながります。

だから、ネロリの花そのものを販売するっていうときに、そういうのを求めているのは結構マニアックなお客さんだと思うんですよね笑

ネロリの精油っていうのは、有名は有名なんですけど、精油の瓶しか見たことないっていう人たちに生の花、生の香りを味わってもらいたいっていうのがあったので。

それで、無理してでもどうにか発送できないかなと色々工夫して、花を収穫してすぐ発送できるようになりました。

ーーネロリの花はすぐ売り切れになっていましたよね。

そうです。今年は皆さんステイホームで、家で蒸留される方がいたりとか、

あとネロリの香り自体が天然の精神安定剤って言われているので、今の時期にぴったりはまったのかなって感じはありましたね。

送ってすごく喜んでもらえるっていうのが一番のやりがいじゃないですかね。

化粧品に関しても天然の香りというか、私が栽培したものから抽出した香りをjuneroの化粧品に入れているので、抽出までするのも大変なんですけど、うちにしかできないことですからね。

そういう変わったことをしてるっていうのも、ある意味やりがいなのかもしれないですね。

ーーお客様にしても予想外のことが楽しみになるのかなって感じがしました。

そうですね、だから(ネロリの花なんて)見たことがないって方ばかりですね。ネロリの花のフレッシュな状態っていうのは、感じたことがない香りなんですよね。それを提供できるのが一番のやりがいかもしれないですね。

編集後記

山辺さんは、ご自身の作る精油が実際どんなものなのかみてみようと思い、自ら東京の銀座で行われた展示会に出店してみたそうです。

そこでお客様に「無農薬ですか?」と聞かれ、無農薬であることの重要性に気づかされたと言います。

さらには、お客様の中でネロリに興味を示す方が多いことを肌で感じ、改めてネロリのすごさに気づかされたと言います。

だからこそ無農薬栽培を徹底したり、よりそのままの状態を楽しんでいただきたいという思いから、ネロリの花そのものをお客様にお届けできるようにまでした山辺さん。

自身の商品がお客様のニーズにあっているものなのか、展示会などを利用して確認し、常に付加価値のある商品を作ろうと奮闘している山辺さんは、とてもキラキラして見えました。

今でも展示会やイベントなどには参加しているそうです。

これから先の活躍がとても楽しみです!

山辺果樹園ホームページ:https://www.yamabe-kajuen.jp/
化粧品ブランド juneroホームページ:http://junero.net/
山辺果樹園・juneroのオンラインショップ:https://base.yamabe-kajuen.net/

Yui Takato

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