【意外と知らない?】家庭菜園の野菜栽培でもっとも大切なのは「土づくり」です【基本を紹介します】

農業のヒント

長かった夏が終わり、ようやく秋になったかと思えば、急激に気温が下がり早くも冬の訪れを感じさせています。新型感染症はもちろんですが、著しい温度変化で体調を崩さないように気を付けたいですね。

「実りの秋」とも言うように、秋は作物が育ちやすい季節です。涼しくて過ごしやすくなっていることもあり、「そろそろ植物の栽培を始めたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。身近な野菜だと、ほうれん草、小松菜、にんにくなどは10月が作付けのシーズンです。初心者の方にも育てやすい野菜が多く、野菜の栽培にうってつけの季節と言えるでしょう。

しかし、肝心の野菜栽培に気を取られ、初心者が忘れてしまいがちなのが「土づくり」です。「ホームセンターで買ってくればいいだけじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、土づくりは「野菜作りでもっとも大切」と言われるほど重要な工程なのです。美味しい野菜を育てて収穫するためには、まずはしっかりとした土づくりから始めなくてはなりません。そこで今回の記事では、「どんな肥料を用意すればいいのか」「どうやって土を耕せばいいのか」など、知識ゼロからでも簡単に土づくりができるように、土づくりの基本をご紹介していきたいと思います。

野菜にはどんな土が必要なの?

「野菜の栽培は、まず土づくりから始まる」と言われるほど、野菜にとって「土」は重要な存在です。では、そもそも野菜の栽培にはどのような土が適しているのでしょうか。生育する野菜の種類によってその条件は変わってきますが、今回は初心者にも分かりやすいものをいくつか挙げていきたいと思います。

まずは、「水はけが良いこと」です。水はけがよい土とは、水の通り抜けがよく乾きやすい土のことを指します。植物の多くは、通気性のよい土を好みます。また、水はけが悪いと通気性が悪く、せっかく育っても根が腐ってしまうこともあります。次に、「水もちが良いこと」です。水もちとは、水分を保つ力のことを指します。水もちが悪いと十分に水分が行き渡らず、植物の育ちが悪くなってしまいます。水分をしっかりと保水しながらも通気性のよい状態、水はけと水もちの両立が大切になってきます。

その次に、「肥料もちが良いこと」が挙げられます。肥料の成分を保つ力のことを保肥性といいます。堆肥や腐葉土などは、この保肥性が高く、たとえ水やりをしたとしても、土から肥料の成分が流れ出したりはしません。肥料の効果をしっかりと生かすためには、肥料もちが良いことが重要になってきます。

最後は、「酸度(ph)が適切であること」です。野菜のほとんどは弱酸性を好みます。アルカリ性または酸性が強い土は養分の吸収が悪くなってしまうため、野菜の生育障害の原因となります。その土の酸度は酸度測定器(pHメータ)で簡単に調べることができるので、事前に確認しておきましょう。

土を掘り起こそう!

それでは、先ほど説明した条件をふまえながら、実際に土づくりを行なっていきましょう。まずは、その場所の酸度(ph)を調べてきます。日本は比較的雨が多く、そのため土が酸性に偏っていることが多いです。ほとんどの野菜はpH6.0〜6.5の弱酸性土壌を好みます。酸度が高すぎると野菜が育ちにくくなってしまうので、土のpHを測り、育てたい野菜よりも酸度が高い場合は、酸度を中和させる必要があります。その際に「石灰」を使用することになります。

酸度を調べ終えたら、ひとまず土を掘り起こさなくてはなりません。これまで全く使っていなかったり、しばらく耕していなかった土は、すっかり硬くなってしまっていることがあります。その硬い土のまま野菜を育てようとすると、しっかりと成長してくれなかったり、収穫できたとしても形や味が悪かったりなど、非常に悲しい結果になってしまいます。そうならないために、硬い土を柔らかくしていく必要があります。

まずは、雑草や土に混ざっている小石、古い根などを取り除いていきます。掘り起こしているとミミズなどの虫が出てくることもありますが、それらも取り除いてしまいましょう。シャベルの先が全体的に土に隠れるまで掘り起こします。だいたい25センチから30センチくらいです。掘り起こす作業はかなり大変ですが、土の良し悪しを大きく左右する工程なので、休憩を取りながらでも大丈夫なのでしっかりと行いましょう。

掘り起こす作業が終わったら、次は土を耕していきます。シャベルだけでも可能ではありますが、鍬を使って行うことで、土の粒子をさらに小さくすることができます。これによって土が柔らかくなり、植物の根に水や酸素、堆肥の栄養素をしっかり送り込めるようになるのです。

肥料を入れよう!

土づくりに欠かさないもののひとつが「肥料」です。大きく育った野菜を安定的に収穫していくためには、栄養がたっぷりの土壌を整える必要があります。また、酸度を調節しなくてはいけない場合、土を耕し終わったタイミングで「石灰」を撒かなくてはなりません。種類によって異なりますが、石灰は土に混ぜ込んでから酸度を調整する効果が現れるまでに時間がかかってしまうため、石灰の投入は作付けの2週間ほど前に行うようにしましょう。

野菜栽培においては、肥料は主に「堆肥」を使うことが好まれます。堆肥とは、落ち葉や雑草、動物のふんなどの有機物を発酵させたものです。意外にも、植物に直接栄養分を与えてくれるわけではありません。堆肥は、植物を栽培する前の土に混ぜることで、土を柔らかく、ふかふかにしてくれる効果があります。堆肥が混ざった土の中では微生物が増えて活発に行動するようになり、その微生物たちが有機物を分解てくれることで土が柔らかくなるのです。土がふかふかになると、水もちと肥料もちが良くなり、野菜にとって理想的な土壌になります。堆肥はホームセンターや通販で購入することが可能なので、育てる野菜に合ったものを選ぶとよいでしょう。

堆肥を撒き終えたら、次は肥料を用意しましょう。家庭菜園では、野菜の成長に必要な3つの成分(チッ素、リン酸、カリ)がバランスよく配合された「化成肥料」が用いられることが多いです。こちらもホームセンターで購入することができます。堆肥と肥料を投入したら、最後にまた鍬を使って土全体を混ぜ合わせていきます。これで土づくりは一段落です。

腐葉土を使ってもいい?

「腐葉土」は、ブナやケヤキ、クヌギなどの広葉樹の葉や枝が地面に落ち、バクテリアやミミズによって分解され、土になったものを指します。腐葉土は一般的な土よりも柔らかく、空気を多く含んでいるのが特徴です。農業やガーデニング以外では、昆虫の飼育に使用されることもあります。

腐葉土は野菜栽培に適した土として知られています。腐葉土に含まれている微生物が有機物の分解を行うため、土の水はけや肥料もちを良くしてくれるのです。堆肥や肥料だけではなく、こうして腐葉土を使ってみても、効果的に野菜を栽培することが可能になります。使用する際は、堆肥と同じように畑に投入し、鍬を使って土と混ぜましょう。

畝を作って完成

土づくりが一段落したら、いよいよ仕上げに入っていきます。「畝(うね)」とは、土が盛り上がっている部分のことを指し、実際に野菜を育てる場所になります。ただ耕しただけの土に植えても構いませんが、しっかりと畝を作ることによって、野菜の根が伸びやすく水はけもよくなるため、効果的に野菜を作りたいと思うのであれば、絶対に欠かすことのできない作業です。

まずは、混ぜ終わった土を平らにならしていき、「山と谷」の「谷」になる部分を鍬を使って深く掘り下げていきます。畝を作る際、日当たりなどを考え、東西方向に長く作るのが一般的です。自分の畑の方角を確認してから作っていくようにしましょう。谷を作り終えたら、最後に野菜を植える部分を平らに整えて完成です。

まとめ

畝を作り終えたら、このまま1週間ほど馴染ませれば、いよいよ野菜の栽培を開始することができます。力仕事にもなってくるので、土づくりはかなりハードな作業ですが、最初につらい思いをしてでもしっかりと良い土を作ることができれば、その後の栽培がぐっと楽になります。元気に大きく育ち、病気にもかかりにくく、美味しい野菜を収穫することができます。これから家庭菜園を始めようとしている方は、まずは「土づくり」をしっかりとやってみましょうね。

OzakiAkira

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フリーライター。インタビュー記事に定評があるせいかインタビューの仕事しか来ないので、他の記事も書きたい。

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