農家の補助金・支援制度の周知に課題見える(農家・農業関心者の実態・意識調査結果)

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ツチカウ編集部では2020年3月、「農家・農業に関する調査」を行いました。今回、その結果がまとまりましたのでお知らせいたします。

【調査概要】
 調査対象 ①全国の農業収入がある20才以上の自営農家男女
      ②農業に関心のある全国の20才以上男女
     ※いずれも60才未満と60才以上を半数ずつ取得
 調査方法 インターネット調査(調査会社のアンケートモニターより抽出)
 調査期間 2020年3月4日(水)〜3月9日(月)
 サンプル数 ①109s ②113s 計222s

農家における補助金・支援制度の認知・利用実態

あなたは以下の農業に関する補助金・支援制度についてご存知ですか。また利用したこと、利用を検討したことがありますか。
1 農業次世代人材投資事業(旧・青年就農給付金)
2 青年等就農資金
3 農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)
4 経営体育成強化資金
5 農業近代化資金

今回提示した各補助金・支援制度については、内容認知はいずれも3割弱。名称認知も半数程度に留まり、制度の周知が課題であることが読み取れます。

認知率、利用率ともに「農業近代化資金」が最も高く、名称認知率は6割弱。その他の補助金・支援制度の名称認知は半数以下。
一方、最も認知率、利用率が低い「経営体育成強化資金」は名称認知率も4割に留まっていました。

農家における補助金・支援制度の不満点

国や自治体、JAバンクなどによる「農業に関する補助金・支援制度」全般について、あなたが不満に思うことがあればいくつでもお答えください。

補助金・支援制度の不満点としては「手続きが面倒」に次いで「どんなものがあるのか」「審査」「期間」「受け方」が上位に挙げられました。

農家向けの補助金・支援制度は“手続きの煩雑さ”と共に“どんな制度があるのか不明”といった周知に関する課題が目立っています。また、「アドバイスしてくれる人」を求めるニーズも4人に1人から聞かれ、制度や受給方法などのアドバイザーを配置するなどの施策も必要と思われます。

有機農業の関心度 農家/農業関心者の比較

あなたは「有機農業」にどの程度関心をお持ちですか。
※有機農業とは、化学肥料・農薬・遺伝子組み換え技術を用いない農法のことを言います

有機農業の関心度は農家よりも一般農業関心層の方が高いことが判明しました。

農業に関心を持つ一般層は有機農業への関心度が8割弱に上るのに対し、農家では“関心あり”が約半数に留まり、「(あまり+全く)関心がない」も2割と、一般層との意識差が見られています。理想と現実のギャップのようなものも感じられますね。

有機農業のイメージ 農家/農業関心者の比較

あなたが「有機農業」についてお持ちのイメージを以下の中からいくつでもお答えください。

農業関心層の有機農業イメージは「安心・安全」がトップ。一方、農家では「手間がかかる」「効率が悪い」が目立っています。

有機農業のイメージ総量は農家より農業関心層で高く、安全性や健康、環境影響などに対する期待の高さが窺える結果となりました。
価格の高さについては、農業関心層6割強に対し農家4割と比較的イメージ差が大きく、農家では“割高感”は希薄である様子がみられます。手間ひまのかかる有機農業だからこそ、高価格であるのは当然という意識の表れかもしれません。

有機農業の導入について 農家/農業関心者の比較

実際に有機農業を取り入れている農家は、全体の半数弱となっています。今後取り入れたいという農家も2割ほど存在していました。

これに対し、農業関心層における有機農業の「取り入れて欲しい」との回答は全体の7割弱と期待度が高くなっています。安心・安全で健康に良い上質な有機農業の生産物を求める消費者と、現実的にはなかなか導入に踏み切れない農家との意識の違いが浮き彫りになる結果とも言えます。

なお、ここで有機農業を「取り入れている」農家にこんな質問を投げかけてみたところ…

有機農業を取り入れているとお答えの方にお伺いします。あなたは「有機JAS規格」の認定を受けていますか。
※収穫した農作物を有機栽培やオーガニックの商品として表記する場合には、農林水産省が定めた「有機JAS規格」の認定を受けることが法律で定められています。有機JAS規格の認定には、登録認定機関の検査を通過する必要があります。

「有機JAS規格」の認定を受けている農家は、有機農業実践農家の4人に1人の割合に留まりました。つまり多くの農家における生産物は、有機栽培やオーガニックの商品であることを明示できない状態にあるということ。農林水産省の「有機JAS規格」ももう少し広がりを見せてくれると消費者側は嬉しいでしょうね。

さて、今回の調査結果発表はここまで。
上記の設問以外にも、今回のアンケート調査ではいくつかの質問を対象者である農家さんや農業に関心のある方々に投げかけています!

どんな面白い結果が出てくるか、今後はさらに調査データを詳細分析し、レポーティングしていきますのでお楽しみにお待ちくださいね!

s.yamamoto

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ツチカウ編集部の山本です。マーケティングを生業としながら、米とカボチャを生産する両親を支えつつ、日本の農の未来に想いを寄せています。

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