「地産地消」を考えてみる

地方×農業

「地産地消」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。ただ、何となく大事なんだろうな…とは分かっていても、具体的には??と素朴な疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで、地産地消についてまとめてみました。お役に立てれば幸いです。

地産地消とは?

農林水産省のHPによると、

地産地消とは、国内の地域で生産された農林水産物(食用に供されるものに限る)を、その生産された地域内において消費する取組です。食料自給率の向上に加え、直売所や加工の取組などを通じて、6次産業化にもつながるものです。

…とあります。

具体的には以下のようなものが該当します。

  • 直売所での地場産野菜の直接販売
  • 地場産農林水産物を活用した加工品の開発
  • 学校給食や社員食堂での地場産食品の利用
  • 地域の消費者との交流・体験活動

では地産地消を推進することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

地産地消のメリット

農林水産省によると、地産地消の取り組みによって、大きく3つの効果が期待できるとされています。

  1. 生産者と消費者の結びつきの強化
  2. 地域の活性化
  3. 流通コストの削減

2と3はなんとなく分かりますが、1番目の「生産者と消費者の結びつきの強化」とは具体的にどのようなメリットなのでしょうか?

これについては、以下のような例が列挙されています。

  • 「生産者の顔が見える」ことで、消費者にとっては新鮮で安心の農林水産物消費につながる
  • 消費者ニーズを汲み取った生産が期待できる
  • 食料自給率の向上につながる
  • 消費者と生産者の交流により食育の機会が生まれる
  • 地域の伝統的な食文化の継承

確かに、産地の書かれた野菜や果物は安心して手に取ることができますし、それが地元だったら更に親近感がわきますね。お子さんにも教えてあげようかな(食育の機会)という気持ちになると思います。

地産地消の象徴「直売所」

地産地消という言葉から容易に連想できるのが、地方に点在する「直売所」の存在です。直売所での地産地消促進はどの程度進んでいるのでしょうか?

地域の農産物を生産者が直接消費者に販売する「直売所」は、全国に約24,000箇所あり、年間総販売額は約1.1兆円だそうです(農林水産省HPより)。
けっこう大きなマーケットなのだなということが分かります。

ところで直売所には、経営母体によって農業経営体(いわゆる法人・一般組織)と、農業協同組合(JA)に大別されます。

下のグラフを見てみてください。直売所の数は全体の6割弱が「農業経営体」であり、「農業協同組合」は全体の1割弱にすぎません。しかしながら、販売額の内訳を見ると、農業経営体の販売額は全体の2割弱、逆に農業協同組合は3割以上のシェアを占めています。

棒グラフを見れば明らかなように、直売所あたりの販売額は「農業経営体」によるものは非常に少ないのが現実です。もちろん規模などの影響因子もあるとは思いますが、地産地消促進を担う農林水産物の直売は、なかなか事業として営むことが厳しいのが現実のようです。

活躍が期待される地産地消コーディネーター

ところで、地産地消を推めるもう一つのキーとなる場が「学校」です。
学校給食に地場産物を取り入れることで、地域農家への経済的後押しにつながったり、児童生徒たちの食育の機会が得られたりする利点があります。

しかしながら、地場産物の利用に当たっては、食材費の上昇分を給食費に転嫁しにくい面があったり、一定の規格等を満たした量を不足なく納入することが求められるなど課題も多く、その利用割合はなかなか向上しない状況があります。

そこで活躍が期待されているのが「地産地消コーディネーター」と呼ばれる人材です。地域ぐるみで、学校給食の現場と生産現場の双方のニーズや課題を調整する「調整役」であり、栄養教諭や生産者組織の代表、JA、行政等のコンサルタントなどが農林水産省から派遣される形で「つなぎ役」を担ってきました。

地産地消コーディネーター人材については、(一財)都市農山漁村交流活性化機構によって毎年全国各地で「育成研修会」が開かれています。基本的に参加費は無料とのこと。
直近の2019年は、11月に東京都・千葉県で、12月に岡山県で研修会が開催されました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
地産地消というのは何となく大事なんだろうな…と思っていても、具体的に何をどう考えればいいのかわからない…という方もいらっしゃったと思います。

ですが、直売所や学校給食といった生活に密着したシーンを思い浮かべることで、意外と身近なテーマであることが分かるかと思います。自給自足とまではいかなくても、地域で採れた農林水産物を、なるべくその地域で消費することは、生産者にとっても消費者にとっても嬉しい・役立つことがいくつもありそうですね。これからも学びを深めていきたいものです。

s.yamamoto

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ツチカウ編集部の山本です。マーケティングを生業としながら、米とカボチャを生産する両親を支えつつ、日本の農の未来に想いを寄せています。

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